胎児期に指摘されず新生児期に症状がなくてもこの疾患を常に念頭に! |
明解 画像診断の手引き―呼吸器領域編 Suppl 187/小児呼吸器領域39 先天性嚢胞性肺疾患:鑑別・診断・治療 滝沢 琢己
(国立大学法人 群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野准教授) コメンテーター:中野 祥子(国立大学法人 がん研究会有明病院核医学部副医長) 読影:佐藤幸一郎(独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター小児科) 八木 久子(国立大学法人 群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野) 協力:大竹 紗弥香(国立大学法人 群馬大学大学院総合外科学講座小児外科学分野) |
明解 画像診断の手引き |
★『明解 画像診断の手引き:呼吸器領域編Suppl』とは 胸部X線上の異常陰影の表れ方をパターン化した「パターン分類」に基づいたわかりやすい画像診断の手引きとして刊行されたシリーズ企画『明解 画像診断の手引き:呼吸器領域編』18冊(2000年9月〜2002年4月/単行本化)の後にスタートしたシリーズです。 胸部単純X線写真をどのように読影して次のステップに進み、確定診断を得、どのような治療を行うべきかを大テーマとしつつ、実際の症例に即して、経験豊富 な名医と気鋭の若手医師が討論するスタイルです。真摯なやりとりの中に、重要点がおのずと浮き彫りとなり、実践的なツールとなるとして甚大な支持を得て号 数を重ねてまいりました。 ★「画像診断の新しいアプローチ」として122号よりリニューアル ★小児呼吸器領域シリーズをまとめた単行本を3冊刊行しております 編集: |
小児呼吸器領域39 |
「今日では妊婦の健診を通じて胎児のさまざまな情報を得ることができます。そのおかげで、一般小児科で診療する機会が減った疾患があります。胎児超音波検査(胎児エコー)で発見され、出生後に確認し、手術を要する場合には小児外科で管理することになるからです。今回はそうした疾患の中から気管支の閉塞と関連している嚢胞性肺疾患を中心に取り上げました。胎児期に指摘されず、新生児期にも症状がない場合には、成長した後に、感染症や他の目的で偶然に撮影したX線検査を契機に発見されるといった症例は今もまだ経験します。病巣への感染が契機であれば、X線検査上も所見が顕著になりますが、そうでない場合には注意深く読影しないと見逃されてしまう可能性もあります。病態を念頭に置きながら、知識の整理をしたいと思います。」(前文より) ●掲載疾患:気管支閉鎖症、先天性肺気道奇形(CPAM)/CCAM、肺分画症、気管支狭窄
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